弁護士費用(一般民事)

以下の弁護士報酬基準のとおりとします。

弁護士報酬基準

第1章 総則

(目的)

第1条 この報酬基準(以下「本基準」といいます。)は、紛争解決を目的とする民事事件の訴訟代理その他の民事上の代理行為についての弁護士報酬の基準を定めることを目的とします。

(弁護士報酬の種類)

第2条 弁護士報酬は、(1)着手金、(2)報酬金、(3)手数料および(4)日当とします。

 2 前項の意義は、次のとおりです。

  (1)着手金
  事件または法律事務(以下「事件等」という。)の性質上、委任事務処理の結果に成功不成功があるものについて、その結果のいかんにかかわらず、受任時に受けるべき委任事務処理の対価をいいます。

  (2)報酬金
  事件等の性質上、委任事務処理の結果に成功不成功があるものについて、その成功の程度に応じて受ける委任事務処理の対価をいいます。
  成功の程度については、経済的利益を評価して算定します。
 
 (3)手数料
  原則として1回程度の手続または委任事務処理で終了する事件等についての委任事務処理の対価をいいます。

 (4)日当
  委任事務処理のために事務所所在地を離れ、移動によってその事件等のために時間を費やすこと(委任事務処理自体による拘束を除く。)の対価をいいます。

(弁護士報酬の支払時期)

第3条 以下のときに、それぞれ支払を受けるものとします。

 (1)着手金:
  事件等の依頼を受け、委任契約を締結したとき

 (2)報酬金:
  事件の処理が終了したとき

 (3)その他の弁護士報酬:
  この基準に特に定めのあるときはその規定に従い、特に定めのないときは依頼者との協議により定められたとき

 

(事件等の個数等)

第4条 弁護士報酬は、1件ごとに定めるものとし、裁判上の事件は審級ごとに、裁判外の事件等は当初依頼を受けた事務の範囲をもって、1件とします。
    ただし、第2章において、当方が引き続き上訴審を受任したときの報酬金については、特に定めのない限り、最終審の報酬金のみを受けるものとします。

 2 裁判外の事件等が裁判上の事件に移行したときは、別件とします。

 

(弁護士の報酬請求権)

第5条 委任契約に基づいて、各依頼者に対し、弁護士報酬を請求するものとします。

 

(弁護士の説明義務等)

第6条 依頼者に対し、あらかじめ弁護士報酬等について、十分に説明した上で、委任契約書を作成し、契約を締結します。

 2 委任契約書には、事件等の表示、受任の範囲、弁護士報酬等の額および支払時期その他の特約事項を記載します。

 3 依頼者からの要望があった場合、弁護士報酬等の額、その算出方法および支払時期に関する事項等を記載した弁護士報酬説明書を交付します。

 

(弁護士報酬の減免等)

第7条 依頼者が経済的資力に乏しいときまたは特別の事情があるときは、第3条および第2章から第4章までの規定にかかわらず、弁護士報酬の支払時期を変更・分割しまたはこれを減額もしくは免除することがあります。

 2 着手金および報酬を受ける事件等につき、依頼の目的を達することについての見通しまたは依頼者の経済的事情その他の事情により、着手金を規定どおり受け取ることが相当でないときは、弁護士は第2章の規定にかかわらず、依頼者と協議のうえ、着手金を減額して報酬金を増額することがあります。
   ただし、着手金および報酬金の合計額は、第14条の規定により許容される着手金と報酬金の合算額を超えないものとします。

 

(弁護士報酬の特則による増額)

第8条 依頼を受けた事件等が、特に重大もしくは複雑なとき、審理もしくは処理が著しく長期にわたるときまたは受任後同様の事情が生じた場合において、前条第2項または第2章および第3章の規定によっては弁護士報酬の適正妥当な額が算定できないときは、依頼者と協議のうえ、その額を適正妥当な範囲内で増額します。

 

(消費税等に相当する額)

第9条 第2章から第4章までの規定に定める金額は、いずれも消費税相当額を含みません。

 2 着手金および報酬を受ける事件等につき、消費税法(昭和63年法律第108号)第63条に基づく、弁護士の役務に対して課せられる消費税の額に相当する額を含んだ金額の表示は、本基準別表によるものとします。
   ただし、消費税法の改正により、税率の変更があった場合には、その時点での税率の定めに従うものとします。

 3 弁護士報酬を支払う際に、所得税の源泉徴収をなす場合、源泉徴収票を交付するものとします。

 

第2章 着手金および報酬金

(民事事件の着手金および報酬金の算定基準)

第10条 本節の着手金および報酬金については、本基準に特に定めのない限り、着手金事件等の対象の経済的利益の額を、報酬金委任事務処理により確保した経済的利益の額をそれぞれ基準として算定します。

(経済的利益-算定可能な場合)

第11条 前条の経済的利益の額は、本基準に特に定めのない限り、次のとおり算定します。

 (1)金銭債権
  債権総額(利息および遅延損害金を含む。)。

 (2)将来の債権:
  債権総額から中間利息を控除した額。

 (3)継続的給付債権:
  債権総額の10分の7の額。
  ただし、期間不定のものは、7年分の額。

 (4)賃料増減額請求事件:
  増減額分の7年分の額。

 (5)所有権:
  対象たる物の時価相当額。

 (6)占有権、地上権、永小作権、賃借権および使用借権:
  対象たる物の時価の2分の1の額。
  ただし、その権利の時価が対象たる物の時価の2分の1の額を超えるときは、その権利の時価相当額。

 (7)建物についての所有権に関する事件:
  建物の時価相当額にその敷地の時価の3分の1の額を加算した額。
  建物についての占有権、賃借権および使用借権に関する事件は、前号の額に、その敷地の時価の3分の1の額を加算した額。

 (8)地役権:
  承役地の時価の2分の1の額。

 (9)担保権:
   被担保債権額。
  ただし、担保物の時価が債権額に達しないときは、担保物の時価相当額。

 (10)不動産についての所有権、地上権、永小作権、地役権、賃借権および担保権等の登記手続請求事件:
  第5号、第6号、第8号および前号に準じた額。

 (11)詐害行為取消請求事件:
  取消請求債権額。
  ただし、取消される法律行為の目的の価額が債権額に達しないときは、法律行為の目的の価額。

 (12)共有物分割請求事件:
  対象となる持分の時価の3分の1の額。
  ただし、分割の対象となる財産の範囲または持分に争いのある部分については、争いの対象となる財産または持分の額。

 (13)金銭債権についての民事執行事件:
  請求債権額。
  ただし、執行対象物件の時価が債権額に達しないときは、執行対象物件の時価相当額(担保権設定、仮差押等の負担があるときは、その負担を考慮した時価相当額)。

(経済的利益算定の特則)

第12条 前条で算定された経済的利益の額が、紛争の実態に比して明らかに大きいときは、経済的利益の額を紛争の実態に相応するまで、減額します。

 

(経済的利益-算定不能な場合)

第13条  第11条により経済的利益の額を算定することができないときは、その額を金800万円とします。

 

(民事事件の着手金および報酬金)

第14条 訴訟事件、非訟事件、家事審判事件、行政審判事件、労働審判事件、仲裁事件(次条に定める仲裁センター事件を除く。)の着手金および報酬金は、この報酬基準に特に定めのない限り、経済的利益の額を基準として、それぞれ次のとおり算定します(本基準別表参照)。

 (1)経済的利益の額が金300万円以下の部分:
  着手金8%、報酬金16%

 (2)経済的利益の額が金300万円を超え、金3000万円以下の部分:
  着手金5%、報酬金10%

 (3)経済的利益の額が金3000万円を超え、金3億円以下の部分:
  着手金3%、報酬金6%

 (4)経済的利益の額が金3億円を超える部分:
  着手金2%、報酬金4%

 2 前項の着手金および報酬金は、事件の内容により、30%の範囲内で増減額することができるものとします。

 3 民事事件につき、当方が引き続き上訴事件を受任するときは、前2項にかかわらず、着手金を適正妥当な範囲内で減額することができるものとします。

 4 前3項の着手金金10万円を最低額とします。

 

(示談交渉および民間紛争解決手続事件)

第15条 調停事件、 示談交渉裁判外の和解交渉をいう。以下同じ。)事件および弁護士会が主宰する「仲裁センター」など裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律(平成16年法律第151号)第2条第1号に定める「民間紛争解決手続」の業務を行う機関等への申立事(以下「仲裁センター事件」という。)の着手金および報酬金は、この報酬基準に特に定めのない限り、それぞれ前条第1項および第2項の各規定を準用します。
  ただし、原則として、それぞれの規定により算定された額の3分の2に減額します(本基準別表参照)。

 2 示談交渉事件から引き続き調停事件または仲裁センター事件を受任するときの着手金は、この報酬基準に特に定めのない限り、前条第1項および第2項の各規定により算定された額の2分の1とします。

 3 示談交渉事件、調停事件または仲裁センター事件から引き続き訴訟その他の事件を受任するときの着手金は、この報酬基準に特に定めのない限り、前条第1項および第2項の各規定により算定された額の分の1とします。

 4 前3項の着手金金10万円を最低額とします。

 

(督促手続事件)

第16条 督促手続事件の着手金は、経済的利益の額を基準として、のとおり算定します。

 (1)経済的利益の額が金300万円以下の部分:
  着手金2%

 (2)経済的利益の額が金300万円を超え、金3000万円以下の部分:
  着手金1%

 (3)経済的利益の額が金3000万円を超え、金3億円以下の部分:
  着手金0.5%

 (4)経済的利益の額が金3億円を超える部分:
  着手金0.3%

2 前項の着手金は、事件の内容により、30%の範囲内で増減額することができるものとします。

3 前2項の着手金金5万円を最低額とします。

4 督促手続事件が訴訟に移行したときの着手金は、第14条の規定により算定された額と前3項の規定により算定された額との差額とします。

5 督促手続事件の報酬金は、第14条の規定により算定された額の2分の1とします。ただし、依頼者が金銭等の具体的な回収をしたときでなければ、これを請求しないものとします。

6 前項ただし書に規定する金銭等の具体的な回収をするため、民事執行事件を受任するときは、弁護士は前各項の着手金または報酬金とは別に、民事執行事件の着手金として第14条の規定により算定された額の3分の1を、報酬金として同条の規定により算定された額の4分の1を、それぞれ受けるものとします。

 

(境界に関する事件)

第17条 境界確定訴訟、境界確定を含む所有権に関する訴訟その他界に関する訴訟の着手金および報酬金金40万円以上、金60万円以下とします。ただし、当方が引き続き上訴事件を受任するときは、着手金を適正妥当な範囲内で減額することができるものとします。

 2 前項の着手金および報酬金は、第14条の規定により算定された着手金および報酬金の額が前項の額を上回るときは、同条の規定によります。

 3 境界に関する調停事件、仲裁センター事件および示談交渉事件の着手金および報酬金は、事件の内容により、第1項の規定による額または前項の規定により算定された額のそれぞれ3分の2に減額することができるものとします。

 4 境界に関する示談交渉事件から引き続き調停事件または仲裁センター事件を受任するときの着手金は、第1項の規定による額または第2項の規定により算定された額のそれぞれ2分の1とします。

 5 境界に関する調停事件、仲裁センター事件または示談交渉事件から引き続き訴訟事件を受任するときの着手金は、第1項の規定による額または第2項の規定により算定された額のそれぞれ2分の1とします。

 6 前各項の規定にかかわらず、依頼者と協議のうえ、境界に関する事件の着手金および報酬金の額を、依頼者の経済的資力、事案の複雑さおよび事件処理に要する手数、時間等を考慮し、適正妥当な範囲内で増減額することができるものとします。

 

(借地非訟事件)

第18条 借地非訟事件の着手金は、借地権の額を基準として、次のとおりとします。

 (1)借地権の額が金5000万円以下の場合:
  着手金 30万円以上、金50万円以下

 (2)借地権の額が金5000万円を超える場合:
  前号の額に金5000万円を超える部分の0.5%を加算した額

2 借地非訟事件の報酬金は、次のとおりとします。
  ただし、依頼者と協議のうえ、報酬金の額を、事案の複雑さおよび事件処理に要する手数、時間等を考慮し、適正妥当な範囲内で増減額することができるものとします。

 (1)申立人については、申立てが認められたときは、借地権の額の2分の1を、相手方の介入権が認められたときは、財産上の給付額の2分の1を、それぞれ経済的利益の額として第14条の規定により算定された額。

 (2)相手方については、その申立てが却下されたときまたは介入権が認められたときは、借地権の額の2分の1を、賃料の増額または財産上の給付が認められたときは、賃料増額分の7年分または財産上の給付額をそれぞれ経済的利益として第14条の規定により算定された額。

 (3)借地非訟に関する調停事件、仲裁センター事件および示談交渉事件の着手金および報酬金は、事件の内容により、第1項の規定による額または前項の規定により算定された額の、それぞれ3分の2に減額することができるものとします。

 (4)借地非訟に関する示談交渉事件から引き続き調停事件または仲裁センター事件を受任するときの着手金は、第1項の規定による額の2分の1とします。

 (5)借地非訟に関する調停事件、仲裁センター事件または示談交渉事件から引き続き借地非訟事件を受任するときの着手金は、第1項の規定による額の2分の1とします。

 

(保全命令申立事件等)

第19条 仮差押および仮処分の各命令申立事件(以下「保全命令申立事件」という。)の着手金は、第14条の規定により算定された額の2分の1とします。
  ただし、審尋または口頭弁論を経たときは、同条の規定により算定された額の3分の2とします。

 2 前項の事件が重大または複雑であるときは、第14条の規定により算定された額の4分の1の報酬金を受けることができるものとします。
   ただし、審尋または口頭弁論を経たときは、同条の規定により算定された額の3分の1の報酬金を受けることができるものとします。

 3 第1項の手続のみにより本案の目的を達したときは、前項の規定にかかわらず、第14条の規定に準じて報酬金を受けることができるものとします。

 4 保全執行事件は、その執行が重大または複雑なときに限り、保全命令申立事件とは別に着手金および報酬金を受けることができるものとし、その額については、次条第1項および第2項の規定を準用します。

 5 第1項の着手金および第2項の報酬金並びに前項の着手金および報酬金は、本案事件と併せて受任したときでも、本案事件の着手金および報酬金とは別に受けるものとします。

 6 保全命令申立事件および保全執行事件の着手金は、金10万円を最低額とします。

 

(民事執行事件等)

第20条 民事執行事件の着手金は、第14条の規定により算定された額の2分の1とします。

 2 民事執行事件の報酬金は、第14条の規定により算定された額の分の1とします。

 3 民事執行事件の着手金および報酬金は、本案事件に引き続き受任したときでも、本案事件の着手金および報酬金とは別に受け取るものとします。
   ただし、着手金は第14条の規定により算定された額の3分の1とします。

 4 執行停止事件の着手金は第14条の規定により算定された額の分の1とします。
   ただし、本案事件に引き続き受任するときは、同条の規定により算定された額の3分の1とします。

 5 前項の事件が重大または複雑なときは、第14条の規定により算定された額の4分の1報酬金を受けることができるものとします。

 6 民事執行事件および執行停止事件の着手金は、金5万円を最低額とします。

 

(行政上の不服申立事件等)

第21条  行政上の異議申立て、審査請求、再審査請求その他の不服申立ておよび行政手続事件の着手金は、第14条の規定により算定された額の3分の2とし、報酬金は同条の規定により算定された額の2分の1とします。
   ただし、審尋または口頭審理等を経たときは、同条の規定を準用します。

 2 前項の着手金は、金10万円を最低額とします。

 

章 手数料

(手数料)

第22条 手数料は、本基準に特に定めのない限り、事件等の対象の経済的利益の額を基準として、次のとおり算定するものとします。
   なお、経済的利益の額の算定については、第11条から第13条までの規定を準用します。

 (1) 裁判上の手数料

  ア 証拠保全(本案事件を併せて受任したときでも、本案事件の着手金とは別に受けることができます。)

  ①基本:
    20万円に第14条第1項の着手金の規定により算定された額の10%を加算した額

  ②特に複雑または特殊な事情がある場合:
    依頼者との協議により定める額

 イ 公示催告

  ①金300万円以下の部分:
    金10万円

  ②金300万円を超え、金3000万円以下の部分:
   1%

  ③金3000万円を超え、金3億円以下の部分:
   0.5%

(2) 裁判外の手数料

  ア 法律関係調査事実関係調査を含みます。)

  ①基本:
   金5万円以上、金20万円以下

  ②特に複雑または特殊な事情がある場合:
   依頼者との協議により定める額

 イ 内容証明郵便

  ①基本:金3万円以上、金5万円以下

  ②特に複雑または特殊な事情がある場合:依頼者との協議により定める額

 ウ 簡易な自賠責請求自動車損害賠償責任保険に基づく被害者による簡易な損害賠償請求

   次により算定された額。
   ただし、損害賠償請求権の存否またはその額に争いがある場合には、依頼者との協議により、適正妥当な範囲内で増減額します。

  ①給付金額が金150万円以下の場合:
   金3万円

  ②給付金額が金150万円を超える場合:
   給付金額の2%


章 日 当

(日 当)

第23条 日当次のとおりとします。

 (1)半日(往復2時間を超え、4時間まで):
  金3万円

 (2)1日(往復4時間を超える場合):
  金5万円


第5章 実費等

(実費等の負担)

第24条 依頼者に対し、弁護士報酬とは別に、収入印紙代、郵便切手代、謄写料、交通通信費、宿泊料、保証金、供託金、その他委任事務処理に要する実費等の負担を求めることができます。

2 概算により、あらかじめ依頼者から実費等を預かることができるものとします。

3 前項の概算額につき、不足が発生し、またはその発生が見込めるに至った場合には、依頼者に対し、追加の支払を求めることができるものとします。

4 依頼者から預かった実費等について、事件等の処理が終了した後に速やかに精算するものとします。

5 依頼者と協議のうえ、弁護士報酬金の一部に実費等を含めて算出することができるものとします。

 

(交通機関の利用)

第25条 出張のための交通機関については、あらかじめ依頼者と協議をして定めた運賃の等級を利用することができるものとします。
     ただし、事前に協議をすることができない場合、または協議をしなかった場合には、次のとおり運賃を請求できるものとします。

 (1)国内線航空機 エコノミークラス

 (2)国内JR、私鉄線 グリーン車(これがない場合には、特急指定席)

 (3)タクシー料金 実費

 (4)地下鉄、バス料金 実費

 (5)自家用車移動 ガソリン代および有料道路費用並びに相当額

 (6)駐車費用 実費

 

第6章 委任契約の清算

(委任契約の中途終了)

第26条 委任契約に基づく事件等の処理が、解任、辞任または委任事務の継続不能により、中途で終了した場合には、依頼者と協議のうえ、委任事務処理の程度に応じて、受領済みの弁護士報酬の全部もしくは一部を返還し、または弁護士報酬の全部もしくは一部を請求します。

 2 前項の場合において、委任契約の終了につき、当方のみに重大な責任があるときは、当方は受領済みの弁護士報酬の全部を返還します。
   ただし、既に委任事務の重要な部分の処理を終了しているときは、当方は、依頼者と協議のうえ、その全部または一部を返還しないことができるものとします。

 3 第1項の場合において、委任契約の終了につき、当方に責任が無いにもかかわらず、依頼者が故意または重大な過失により委任事務処理を不能にしたとき、その他依頼者に重大な責任があるときは、弁護士報酬の全部を請求することができるものとします。
   ただし、委任事務の重要な部分の処理を終了していないときは、その全部については請求することはできないものとします。

 

(事件等処理の中止等)

第27条 依頼者が着手金、手数料または委任事務処理に要する実費等の支払を遅滞したときは、事件等に着手せず、またはその処理を中止することができるものとします。

2 前項の場合には、あらかじめ依頼者にその旨を通知します。

3 前項の通知は、依頼者が当方に届け出た住所に発すれば足りるものとします。

 

(弁護士報酬の相殺等)

第28条 依頼者が弁護士報酬または立替実費等を支払わないときは、依頼者に対する金銭債務と相殺し、または事件等に関して保管中の書類その他のものを依頼者に引き渡さないでおくことができるものとします。

2 前項の場合には、速やかに依頼者にその旨を通知します。

3 前項の通知は、依頼者が当方に届け出た住所に発すれば足りるものとします。