A-交通事故Q2-1

Q2-1傷害分についての損害賠償請求権の消滅時効の起算点が、事故日から3年ないし5年を超えた日となることもありますか?

A2-1 あります。
   交通事故により人的損害が生じた場合、受傷後の治療が症状の経過を確認しながら行われるものであることなどから、
a)後遺障害が残存しない場合には傷害の治療が終了した時から、
b)後遺障害が残存する場合には症状固定日から、
それぞれ消滅時効が進行すると考えられます(大阪地裁令和2年9月2日判決・自保ジャーナル2083号106頁参照)。
   したがって、交通事故により人的損害が生じた場合、傷害分についても、消滅時効の起算点が事故日から3年ないし5年を超えた日となることもあります。
   ただし、事故態様、傷害の程度及び治療経過等から、治療期間の一部について事故との相当因果関係が否認される場合には、事故との相当因果関係の認められる治療期間の末日から消滅時効期間が進行すると解される可能性のあることに、留意が必要です。