A-交通事故Q4-3

Q4-3 交通事故によって、当方車両が損傷し、また、身体傷害を負いました。現在、物損も人損も示談未成立です。身体傷害について通院治療を継続している間は、車両損傷を理由とする損害賠償請求権について、消滅時効は成立しないのでしょうか?

A4-3 成立することがあります。
   同一の交通事故により被害者に身体傷害及び車両損傷を理由とする各損害が生じた場合、被害者の加害者に対する車両損傷を理由とする不法行為に基づく損害賠償請求権の短期消滅時効は、被害者が、加害者に加え、上記車両損傷を理由とする損害を知った時から進行するものと解されています(最高裁令和3年11月2日判決・裁判所ウェブサイト参照)。そして、被害者は、通常、事故日において、加害者及び車両損傷を理由とする損害の発生を知ることができます。よって、事故日から3年ないし5年が経過した場合には、車両損傷を理由とする損害賠償請求権について、消滅時効が成立することとなります。
   ただし、示談交渉の過程において、加害者側に自認行為があると認められる場合などには、上記の期間が経過した場合でも、消滅時効が成立しないこともあります。