A-労働Q2-1

Q2-1 そもそも定年退職後の再雇用において、賃金を定年前より減額することは許されますか?

A2-1 許されます。高年齢者等の雇用の安定等に関する法律(以下「高年法」といいます。)第9条1項2号に定める継続雇用制度において、賃金を含む定年退職前の労働条件の変更が一切許されないものとは解されていません。また、定年後再雇用であることは、パートタイム・有期雇用労働法8条の不合理性の判断において考慮事情となるものと解されます。それゆえ、一般に、定年後再雇用の有期雇用労働者と定年前の無期雇用労働者の基本給などの相違は、相当大きな差がない限り、違法・無効となることはないと考えられます(長澤運輸事件・最高裁平成30年6月1日参照)。