Q3-4 シフト制によって労働条件を定めるとすることもできますか?また、使用者による具体的なシフトの決定について、限界はありませんか?
A3-4 一般に、シフト制(週の勤務日及び勤務日数又は1日の所定労働時間が労働契約において定められてなく、翌週又は翌月の勤務に関する労働者の希望を踏まえて、使用者が勤務日、勤務日数及び各勤務日の労働時間を決定する方法)によって労働条件を定めることは、労働者の都合が反映される点で労働者にとって都合のよい面もあることから、有効と解されます。
ただし、シフト制で勤務する労働者にとって、シフトの大幅な削減は収入の減少に直結するものであり、労働者の不利益が著しいことから、使用者による具体的なシフトの決定については一定の限界があると考えられます。そのため、例えば、これまでコンスタントにシフトに入っていた労働者のシフトをゼロにした場合には、合理的理由がない限り、シフトの決定権限の濫用に当たり違法となると考えられます。この場合、労働者は、民法536条2項に基づいて、不合理に削減されたといえる勤務時間に対応する賃金を請求できることとなります(東京地裁令和2年11月25日判決・労働判例1245号27頁参照)。