A-著作権Q1-1

Q1-1 ファスト映画(権利者に無断で映画の映像や静止画を使用し、字幕やナレーションを付けてストーリーを明かす短めの動画のこと)をYouTubeチャンネルで送信した場合、複製権・公衆送信権その他の著作権侵害になるとしても、編集の仕方によっては,要約引用(著作権法32条1項)として適法化されませんか?

A1-1  適法化されることは困難と考えられます。その理由は、以下のとおりです。
   まず、一般に、要約引用が認められるかについては、著作権法(以下「法」といいます。)47条の6第1項2号の文言上、否定的な学説もあります。しかし、裁判例では、法47条の6(旧法43条)の趣旨から、「他人の著作物をその趣旨に忠実に要約して引用すること」も同法32条1項により許容される旨判示したものもあります(東京地裁平成10年10月30日判決・血液型と性格事件)。そして、学説上も、要約引用を認める説が有力です(中山信弘「著作権法[第3版]」408頁等)。
   ただし、仮に、要約引用を認めるとしても、「公正な慣行」、「正当な範囲」といった、法32条1項所定の適法引用の要件が充足される必要があります。この点、映画のストーリーを違えずに単に縮めて引用した番組は、映画との間に代替性があり、著作権者に及ぼす影響が大きいことから(知財高裁平成22年10月13日判決・絵画鑑定書事件参照)、「引用の目的との関係で正当な範囲内」と認められる可能性は低いものと考えられます。