A-弁護士費用保険Q2-3

Q2-3 私が契約している自動車保険の弁護士費用等特約では、弁護士費用保険金の支払限度額は300万円(消費税を除く。以下同じ。)とされています。弁護士との委任契約において、1時間当たり2万円の時間制報酬方式を採用した場合、受任弁護士に150時間相当の業務を行って貰えるものと期待してよいのでしょうか?

A2-3 多くのケースでは、そのように期待することはできません。
   確かに、多くの約款では、弁護士費用保険金の上限額は、1回の事故につき300万円と規定されています。ただし、日本弁護士連合会と各保険会社等との協定に基づく、弁護士紹介制度(LAC)を利用した場合には、通常、LAC基準に準拠して請求及び支払がなされています。LAC基準では、1時間当たり2万円の時間制報酬方式を採用した場合、1回の事故につき、30時間を目安とするものとされています。そのため、通常の事件では、30時間(60万円)程度が事実上の上限として運用されています。
   なお、近年、保険会社等が約款を改定して、ほぼLAC基準に準拠した内容の支払基準を、約款の中に取り込む例もあります(三井ダイレクト損害保険等)。この場合、LACを利用しない場合で、かつ、時間制報酬方式を採用したときの弁護士費用保険金の支払については、1回の事故につき、30時間(60万円)を原則とすることが、約款上明記されていることとなります。